09 // 天より人に授けられた救世主
「ここが「第2の試験」会場。第44演習場…別名「死の森」よ!!」
「何か薄気味悪いところね…」
「フフ…ここが¨死の森¨と呼ばれる所以、すぐ実感することになるわ」
「「死の森と呼ばれる所以」「すぐ実感することになるわ」
な―――んておどしてもぜんっぜんへーき!
怖くないってばよ!」
「そう…君は元気がいいのね」
シュ
『ナルト!しゃがんで!!』
カキィイン
『いくらアンタでも…ナルトを傷つけたら許さねェよ』
「クナイ…お返ししますわ…」
が弾いたアンコのクナイを不気味なほど長い舌で絡めとった女
何コイツ…
『ナルト…早く行こ』
「お…おウ」
「アンタの実力がどれだけ通じるのか…フフ…見物ね」
すれ違いざまににしか聞こえないように、囁くアンコ
『あたしの力は、どんな時でも場所でもMAXに決まってるでしょ??』
ニヤリ、と口角をあげて笑い、挑戦的な目でアンコを一別すると
『はやく始めよーよ』
とひとこえかけて仲間…第7班のメンバーの所へと戻って行く
木の葉を滅ぼす力を持つ、破滅の子――――
南都一族の生き残りの力は未知数で何度も重役たちによって、あの子の未来が奪われそうになったことか
――里の未来を脅かすやつは生かしておけない
――子供のうちに殺してしまおう
そんな意見が飛び交う中、火影の許しが出ないうちにあの子の力が目覚めてしまった
そして起こった事件
――子供が消えた!
――もしや…犯罪組織にでも捕まったのでは!?
たった数時間、子供がいなくなっただけであの騒ぎよう
その後子供は見つかり、里にも平和が戻ったと思われたが、そうではなかった
今まで自分の感情を持たず、ただの殺戮兵器として育てられてきた子供の変化――
そう、自分の感情を持つようになってしまったのだ
そうなると、兵器としては致命的
大人たちは慌てふためき、子供の機嫌を取ろうとする
すると子供は言うのだ「別に、木の葉を裏切ろうとなんて思わないよ」
すべてを見透かしたような目で
「木の葉には、火影を目指す、太陽のような男の子がいるから」―――と
*******
「それじゃ、第2試験を始める前にアンタらにこれを配っておくね!」
そう言って、取り出したのは¨同意書¨と書かれた紙
「…何だ?」
「同意書よ
これにサインをしてもらうわ
…こっから先は死人も出るからそれについて同意をとっとかないとね!
私の責任になっちゃうからさ〜」
明るく言うアンコとは対照的に静まりかえる受験生たち
「じゃ!第2の試験の説明を始めるわ
早い話、ここでは―――極限のサバイバルに挑んでもらうわ」
サバイバルとか得意科目じゃん
なんてラッキーなんだろう…
「まず、この演習場の地形から順を追って説明するわ
この第44演習場は…カギのかかった44個のゲート入口に円状に囲まれてて
川と森…中央には塔がある
その塔からゲートまでは約10q…
この限られた地域内で、あるサバイバルプログラムをこなしてもらう
その内容は…各々の武具や忍術を駆使したなんでもアリアリの――――――¨巻物争奪戦¨よ!!」
「巻物?」
「そう、¨天の書¨と¨地の書¨…
この2つの巻物をめぐって戦う
ここには78人、つまり26チームが存在する
その半分13チームには¨天の書¨をもう半分の13チームには¨地の書¨を――
それぞれ1チームひと巻きずつ渡す
そしてこの試験の合格条件は…天地両方の書を持って中央の塔まで3人で来ること」
「つまり、巻物を取られた13チーム、半分が確実に落ちるってことね…」
「ただし時間内にね
この第2試験、期限は120時間
ちょうど5日間でやるわ!」
「5日間!!」
「ごはんはどーすんのォ!?」
『ご…ごはん』
「自給自足よ!
森は野生の宝庫
ただし人喰い猛獣や毒虫、毒草には気をつけて
それに13チーム39人が合格なんてまずありえないから
なんせ行動距離は日を追うごとに長くなり…回復に充てる時間は逆に短くなってゆく
おまけに辺りは敵だらけ、うかつに寝ることもままならない
つまり巻物争奪で負傷する者だけじゃなく…コースプログラムの厳しさに耐えきれず死ぬ者も必ず出る」
さすがに…ここまで話されて怖じけづかないやつはいないか
「続いて失格条件について話すわよ!
まず1つ目…時間内に天地の巻物を塔まで3人で持ってこれなかったチーム
2つ目…班員を失ったチーム、又は再起不能者を出したチーム
ルールとして……途中のギブアップは一切無し、5日間は森の中!
そして…もう1つ…巻物の中身は塔の中にたどり着くまで決して見ぬこと!」
「途中で見たらどーなるの?」
気になる…
「それは見たやつのお楽しみ
中忍ともなれば超極秘文書を扱うことも出てくるわ…信頼性を見るためよ
説明は以上、班員分の同意書と巻物を交換するから…
その後ゲート入口を決めて一斉スタートよ!
最後にアドバイスを一言―――死ぬな!」
『それ…アドバイス??』
「頑張りましょ!」
「おう!」
「ああ」
『あたしがいる限り、誰も死なせないから安心して!』
「これより中忍選抜第2の試験!開始!!」
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